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JR北海道がマンション事業に参入!事業の多角化を進める2018.04.10(火)

JR北海道は、2018年4月12日に分譲マンション事業に参入することを明らかにしています。苗穂駅北口の再開発と合わせて高層マンションを建設する計画であるとしており、街づくりと一体となり事業を進めていく方針です。

同社は、長年鉄道事業が厳しい状況で、事業の多角化が求められていましたが、分譲マンション事業に参入することで、安定的な収益基盤を構築する狙いがありそうです。

苗穂駅北口再開発の西街区(東)に高層分譲マンションを建設

JR北海道は、札幌市と協力して進めている苗穂駅北口の再開発において、再開発地の西街区(東)に高層分譲マンションを建設する方針を明らかにしています。

苗穂駅は現在北口は存在していませんが、北側にはイトーヨーカドーを核とする商業施設「アリオ札幌」や、サッポロビール運営しているサッポロビール博物館があります。ただ、現行の苗穂駅からは、歩道橋を渡ってアクセスする必要があったことから、駅を300メートル西に移転し、橋上駅舎化する方針としており、それと合わせて、現在同社の社員向け研修施設の移転に伴い取り壊し、北口の設置と駅前の再開発を進めていく計画です。

苗穂駅北口の再開発では、今回の分譲マンションの他に、複合型商業施設、病院、高齢者住宅の建設が計画されています。

分譲マンションは地下1階から地上27階建て部屋数は300戸

今回、JR北海道が計画している分譲マンションは、敷地面積が約8000平方メートル、地下1階から地上27階建ての規模で、300世帯が入居できる分譲マンションを計画しています。開発は、JR北海道に加え、株式会社大京、住友不動産の3社共同で進めていきます。

入居募集時期は2019年春を予定しており、建物の完成は2020年を予定しています。

鉄道事業赤字を補う安定収益を狙う

同社が分譲マンション事業に参入する背景としては、厳しい鉄道事業があります。2018年3月28日に発表した2017年度の最終損益は127億円の赤字となっています。また、2018年度の事業計画についてはも、資産売却益の減少などから最終損益は179億円の赤字を計画しており、引き続き鉄道事業の経営は厳しいものになると予想できます。

ただ、同社は社有地を多く保有しており、これらの土地をうまく活用して分譲マンションとして売り出すことで、鉄道事業の赤字を補う収益基盤に育てていく方針としています。

また、同社は不動産事業に関連して、既存のホテル事業も合わせて強化する方針で、函館駅近くの自社用地にビジネスホテル「JRイン函館」の建設の他、JR千歳駅近隣に「JRイン千歳」を計画しています。北海道新幹線による観光客の増加や、訪日外国人観光客の増加を受けて、宿泊ニーズをうまく取り込み、収益改善を進めていく方針です。

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