牛丼チェーン店「松屋」を展開している松屋フーズホールディングスは、牛丼チェーン「松屋」をロシアに進出することを明らかにしています。ロシア国内では近年日本食の人気が高まっていることに加え、ロシアとの経済交流も今後期待できることなどで、商圏拡大の余地があると判断したようです。
2019年3月末に首都モスクワで1号店を開店
松屋フーズは、牛丼チェーン店としては初のロシア進出になります。2019年3月末にもロシアの首都モスクワで1号店を開店させる方針です。
同社によると、今後5年間でロシア国内で30店舗の展開を目標としており、売上高は日本円で30億円を目指すとしています。
牛丼チェーン店「松屋」は、日本以外にも中国や米国、台湾に13店出展しています。同じく牛丼チェーン店である吉野家は中国や台湾、米国、東南アジア諸国など海外展開に積極的ですが、ロシア市場への未進出であり、松屋としては、後述しているとおり、日本食に人気が高まっていることや、日露経済交流が今後活発化していくことなどから、商圏拡大の余地があると判断し、競合が進出していないロシア市場に積極的に投資していく構えです。
定番の牛めしは日本同様に価格帯を採用、牛めし以外のメニューも充実
ロシアで展開する松屋においては、定番メニューである「牛めし」は日本国内の値段と同様の価格帯で提供する方針で、290ルーブル(約490円)となります。また、味付けについては、現地向けに特別なカスタマイズを行うことなく、日本同様の味付けで展開していくとしています。
また、国内では牛めしを中心としたメニューとなっていますが、松屋フーズが他のブランドで展開しているとんかつメニューやラーメンなども提供するとしており、日本食のファーストフードに近い店舗展開をしていく方針です。
松屋進出は道銀出資企業がフランチャイズ契約を締結して進出
今回、松屋フーズがロシア市場にて店舗展開を行うに当たり、北海道銀行が出資している地域商社である「北海道総合商事」とフランチャイズ契約を締結した上で進出をします。
北海道総合商事は、ロシア国内に子会社を持っており、日本企業の進出支援を行っています。2016年12月9日の記事でも紹介しましたが、同社はロシア国内に野菜工場を建設をしており、道内における寒冷地での農業ノウハウを提供することで、現地における冬期の野菜不足の解消を目指しています。
今回の松屋フーズに対しても、ロシア市場で事業を展開する上でのノウハウを提供するなど、事業展開の支援をしていくとしています。
ロシア市場は、近年中間所得層が増えている他、経済発展も進んでいることから、日本企業にとっては商圏を拡大するチャンスとなっています。中間所得層拡大で日本食の関心も高まる中、今後の外食産業においても同様の動きが見られそうです。