北海道は2018年2月15日に2018年度の予算案を発表しました。今回発表した予算案では、収入にあたる歳入から支出にあたる歳出を差し引いた財政収支は410億円の赤字を見込んでいます。赤字幅は2021年度までに段階的に減らしていく方針で財政収支均等を目指していきます。
2018年度予算案歳入内訳
2018年度予算案の一般会計における歳入の内訳を見てみると、債券を発行して借り入れた道債が6584億円で全体の24%、続いて、地方交付税が6060億円で22%、次に、道税が5985億円で21.8%となっています。
道の借入金である道債については、新規発行によって借り入れる金額については2941億円としており、前年より5%減少します。ただし、償還日が10年となる10年債の借換債が一時的に膨らんだことにより、歳入に対して道債が占める割合は高くなっています。
道経済も2017年12月12日の記事等で紹介している通り、道内企業の業績も景気回復により改善傾向に向かっていることから、今後としては、企業に対して成長と賃上げを後押しすることで、道税による歳入を増やすことが求められると言えます。
2018年度予算案歳出内訳
2018年度予算案の一般会計における歳出の内訳を見てみると、過去発行した道債による借入金の返済額である「道債償還費」が7469億円で、歳出の4.6%を占めます。
一方で、保健福祉関係の経費についは、国民健康保険の被保険者が減少したことにより3663億円としています。ただし、少子高齢化により保健福祉関係費については高い水準で推移していることから、財政圧迫の要因となっているのは事実で、薬価代金を引き下げることで社会保障費を下げるといった医療費の負担水準の見直しが求められると言えそうです。
歳入から歳出を差し引いた財政収支は410億円赤字へ
2018年度予算案の発表では歳入から歳出を差し引いた財政収支は410億円の赤字を見込みます。2017年度に比べると赤字額は110億円減少となります。財政収支の赤字により道の基金残高は19億円となる見通しです。
道では、赤字補填については、道の貯蓄に該当する「財政調整基金」を切り崩すして補う他、将来的な経費削減を前提に発行が認められる行政改革推進債の発行により補填する方針です。
道は、赤字削減の方針については、段階的に解消する財政収支均等を目指す方針を示しています。2019年度についは赤字幅を400億円、2020年については210億円、2021年には70億円ベースで減らしていく方針です。