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北海道旅行の交通手段として長距離フェリーに注目が集まる理由とは?2016.04.22(金)

2016年3月26日に北海道新幹線が開業し、東京と北海道が陸路で4時間でつながりました。アクセスが向上したことにより、北海道南エリアを中心にゴールデンウィークの旅行先でも北海道が上位にランクインしています。

一方で、目的に着くまでの過程自体を楽しむことも旅行の醍醐味のひとつです。北海道新幹線によって本州とのアクセスが向上した中で、あえて長い移動時間をかけて北海道を訪れるフェリー航路にも注目が集まっています。

長距離フェリーの活用がホテル不足の解決策として浮上

近年、北海道を訪れる旅行客が急増しており、道内観光業界では宿泊客の受入体制強化が急務となっています。2016年4月21日付の日本経済新聞朝刊によると、2015年に日本を訪れた外国人旅行客は2000万人を超え過去最高の伸び率を記録しており、北海道でも平成27年度上期だけで200万人以上の外国人旅行客が宿泊しています。

そのため、中華圏の旧正月にあたる春節などの繁忙期ではホテルを確保するのが難しくなっており、結果として北海道観光を諦めてしまうケースも出てきているところです。加えて、3月26日に北海道新幹線が開業したことにより、ホテル不足に拍車がかかるのではないかとの危惧の声も出始めています。

今回、ホテル不足の解決策のひとつとして浮上したのが長距離フェリーの利活用です。

フェリーを宿泊施設のひとつとして考える

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横浜港に停泊している氷川丸(横浜市中区)

現在、北海道と本州を結ぶフェリー航路は、苫小牧と茨城県の大洗を結ぶ航路の他に、苫小牧―仙台、小樽―新潟などの路線が運行されています。乗船時間は20時間程度で、出発日の翌日に道内港に到着するスケジュールとなっています。

航空機や新幹線と比較すると長い時間がかかりますが、寝ている間に移動できるというメリットがあるため、これをうまく使えば1泊分の宿泊施設を心配せずに旅行プランを作成することができます。

北海道運輸局においても、長距離フェリー会社、旅行会社を構成員にした会議を立ち上げて、宿泊設備を有する長距離フェリーをホテル不足に活用できないか検討が進められています。

海外富裕層の呼び込みにもつながるか

苫小牧港と茨城県の大洗港を結ぶ「さんふらわあ」を運行する商船三井では、夕方便2隻の代替船を建造して、2017年に就航する予定を立てています。

他のフェリー会社でも、陸路・空路とは違った旅の楽しみを提案するため、ラウンジやレストランを備えた豪華客船の建造を進めています

長期フェリー航路の充実化は、時間と資金に余裕のある海外富裕層の呼び込みにもつながっていきそうです。

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