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新千歳空港が発着枠拡大。インバウンド増加を期待!2016.05.12(木)

2017年3月から新千歳空港の日中時間帯の発着枠が1時間当たり32回から42回に大幅拡大される見通しとなりました。また、今年10月下旬からは中国やロシアなどの航空機に対する発着制限も緩和、現在就航を認められていない月曜日と木曜日も含め、毎日運行できるようになります。
 
政府では、訪日外国人数を2020年に4000万人、2030年に6000万人との野心的な目標を3月に発表したばかりですが、今回の新千歳空港の発着枠拡大は目標達成に向けた起爆剤となりそうです。

今回の拡大策からは政府の強い意志が感じられる

新千歳空港の管制業務は隣接する千歳飛行場を使っている航空自衛隊が一元的に成っており、自衛隊機と時間をずらして民間機を離着陸させています。そのため、自衛隊の訓練との兼ね合いから運行条件の大幅改善は難しいと言われていました。また、冷戦時代の名残から中国機、ロシア機の発着制限も行われていました。
 
4月21日の記者会見では、菅官房長官が「全国に先駆けて北海道を観光先進国にしたい。北海道への乗り入れを希望する全ての便が就航できるようにしたい。」と語るなど、新千歳空港の発着枠拡大に伴うインバウンド需要への高い期待が込められています。
 
今回の発着枠拡大策で大幅緩和されたのには政府の強い意志が感じられます。
 

北海道庁は訪日外国人300万人を目指す

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五稜郭タワーから眺める「五稜郭」(北海道函館市:筆者撮影)
 
新千歳空港の発着枠拡大の裏には、旅行先としての北海道の人気が急速に高まっているという点があります。新千歳空港への就航を希望する海外航空会社も増えていますが、現在の発着枠では対応が難しい面がありました。
 
折りしも、北海道庁では4月7日付けで北海道外国人観光客来訪促進計画を改訂を行いました。2013年に策定した訪日外国人120万人という目標を予測を大幅に上回るペースで達成したため、2020年の目標を300万人に上方修正する改訂を行ったのです。今回の新千歳空港の発着枠拡大は渡りに舟としての期待も高まりそうです。
 

税関や出入国審査の体制整備、空港と都心へのアクセス向上が急務

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都心へ向かう人で賑わう新千歳空港駅改札口(北海道千歳市:筆者撮影)

訪日外国人を受け入れる窓口として更なる成長が見込まれる新千歳空港ですが、解決すべき課題もいくつか残っています。まず、利用者増加に伴い、税関、出入国審査などの体制強化は当然進めていく必要があります
 
そして、札幌へのアクセス向上も忘れてはいけません。新千歳空港は昨秋から深夜早朝発着を増加させていますが、JR北海道の快速エアポートの新千歳発の終電は午後10時台のままとなっています。空港利用者の利便性を向上させるためにも、空港からの二次交通の拡充を急ぐ必要があります。

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