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外国人労働者の受け入れが広がる北海道企業の動向2016.11.15(火)

近年、日本国内で働く外国人労働者の数が増えています。日本で働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」を利用してアジア地域を中心に来日して働くケースが多くなっていることに加え、企業にとっては慢性的な労働者不足などを補う担い手として活用するケースも増えています。また、少子高齢化などで生産年齢人口の減少が予想される中、日本経済を持続させるためにも外国人の活用が求められてきています。

日本人の生産年齢人口の減少など外国人労働者が次世代の担い手へ

日本国内で働く外国人の数は年々増えています。日本経済新聞によると2016年の在留外国人数は230万7388人で、そのうち技能実習制度を利用して働いている人が21万人で前年比3%増加しています。

日本企業においても慢性的な労働者不足などにより、単純労働を中心に外国人労働者を活用して人件費を抑える手段としている事例も相次いでいることから、技能実習制度を見直し、高度人材を育成するためにも技能実習制度を段階的に縮小する方針を明らかにしています。

日本では少子高齢化の影響で今後生産年齢人口が減少することが予想されており、経済を持続させる上で外国人を積極的に活用することが不可欠となっています。そのため、日本政府としても学歴や年収など一定の条件を満たした専門職に付く在留外国人に対して、「高度専門職」としての在留資格を与え、在留期間の優遇や永住許可の要件を緩和する方針を打ち出しています。

また、単純労働においても、人手不足が深刻な介護や建設などについても国別に人数や職種を管理する形で受け入れを進める方針で検討しています。

食品工場を中心に実習生を採用する動きが広がる

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外国人労働者の活用が進む中、道内においても外国人を活用する企業が増えています。

コープさっぽろ(札幌市西区)は、江別市にある食品工場で初となるベトナム人実習生を8人採用しました。JA新おたる(北海道仁木町)は、年間約120人の実習生を受け入れており、2016年度はベトナム人を中心に同規模で採用を行いました。

両者では、以前までは中国人の受け入れを行っていましたが、中国における人件費の高騰や生活水準の向上など、日本で働くメリットが薄れるなど人材の確保が難しくなった経緯があり、ベトナム人を中心に受け入れを行っています。

北海道や東北地方を中心にスーパーマーケットを展開する株式会社アークス(北海道中央区)は、ミャンマーから技能実習生を20人程度受け入れ、惣菜工場で加工食品の製造に従事してもうら方針です。

日糧製パン(札幌市豊平区)は、2017年5月から6月を目処にミャンマーから5人程度の実習生を受け入れる方針です。2017年度の受け入れで実習生の働きぶりや適正、能力など総合的に判断し、2018年より20人から30人規模へと拡大するとしています。

観光需要の担い手としても外国人労働者を活用

道内の観光分野においても外国人の活用は広がっています。人材派遣大手のキャリアバンクは、日本語を専攻しており、英語も同時に話すことができる中国人大学生を学業の一環として、観光施設などでインターンシップと同等な形で働く仕組みをつくりました。

2016年9月23日付の記事で紹介したように、ニセコでは外資系ホテルの進出が相次いでいることから、同社では人材紹介に特化した拠点を開設することで、観光需要に見合った人材を確保に動いていることから、中国人大学生の活用で人材を育成し、将来的なテコ入れを図る狙いがありそうです。

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