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ファミリーマートが道内で店舗網拡充。北海道のコンビニ事情紹介2016.10.28(金)

ファミリーマートは、道内での店舗網拡充を行う方針を明らかにし、直近で100店舗を新たに開店する方針を明らかにしています。道内にみならず全国的に店舗数が多いコンビニエンスストアですが、道内のコンビニエンスストア事情を踏まえ、今回のファミリーマートが道内で積極展開する狙いとは何か考えていきます。

ファミリーマートは2020年までに350店舗を目指す

ファミリーマートは、フランチャイズチェーンのオーナー募集を札幌都市圏を中心に、道央と道南地区を重点的に行います。既存のコンビニエンストアとの差別化として、店舗面積が1000平方メートルとし、約15台収容可能な駐車場や、店舗面積は約200平方メートルとし店舗内にはイートインスペースを設け、カフェと同じようにゆっくりくつろげるようにするなどで、ファミリーマートの経営の魅力を伝え、オーナーを多く募集していきます。

2016年度は既に10店舗新規開店しており、2017年は20店舗の新規開店を目指すとしています。さらに、2016年9月にファミリーマートの傘下に加えた旧ユニーグループ・ホールディングスのコンビニチェーンサンクスの道内店舗187店を2年かけてファミリーマートに転換し、2020年までに350店舗の展開を目指します。

現在の道内にあるファミリーマートの店舗数は、傘下に収めたサンクスを合わせると244店となっており、後述する、セブン-イレブン・ジャパンやローソンに大きく引き離されている状況から、同社の競争力を高めることはもちろん、商品開発や製造、物流の面でも効率化を図っていく狙いがあります。

道内ではローカルコンビニとしてセイコマートが台頭

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道内の有名なローカルコンビニエンスストアとして「セイコマート」があります。セイコマートは1971年に1号店を開店して以来、道内で1100店舗を展開しており、北海道では大きなシェアを誇っています。

セイコマートの特徴として、店内の厨房で調理をおこなった出来たての弁当やお惣菜を提供する「ホットシェフ」です。専任の調理スタッフを雇い味付けから盛り付けて提供しており、北海道でセイコマートの人気が高い理由の1つとなっています。セイコマートの売上はホットシェフだけで年間約130億円となっています。

また、セイコマートは、北海道の過疎地などへの店舗展開にも積極的で、大手スーパーなどが撤退する中、村民の台所としての役割も高く、地元に密着した経営が長年道民から支持されている理由として伺えます。

高齢化を見据えた地元に密着した経営が生き残りの鍵

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大手コンビニチェーン、セブン-イレブン・ジャパンは道内で1000店舗、ローソンは636店舗を展開しています。

日本経済新聞の報道によると、北海道は人口比でのコンビニエンスストアの店舗数が全国の都道府県で多いことから市場は飽和気味としています。そのため、セブン-イレブン・ジャパンとローソンの2社は現行体制をしばらくは維持していくものと見られます。そんな中、ファミリーマートの店舗拡大はどれだけ増やせるかが未知数なところもあります。

今後の少子高齢化や過疎化が進む中、ローソンでは軽トラックに食品や日用品を積んで販売する移動販売を2016年11月から全国で展開するなど、買い物弱者の支援で地元に密着した経営を進めています。

セイコマートの事例で紹介したとおり、過疎地などの店舗展開など地元に密着した経営が支持されていることから、ファミリーマートが順調に店舗を拡大していくためにも、少子高齢化を見据え、如何に地元に密着した経営ができるかが鍵となりそうです。

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